FreeStyle Seminar 2007 in YOKOHAMA 2007年6月24日
2007年6月23日と24日は、早くからフリースタイルを取り入れていらっしゃるアンディ島田先生を
はるばる九州から講師として招いてフリースタイルのセミナーが開かれると聞き、24日のセミナーに申し込んだ。
こちらの生活環境では、到底九州まで行かれないので、この機を逃すわけにはいかない。

会場はフリースタイルの練習会や、2年前のFSコンペでも使われた横浜の会館。
我が家からは空いていれば高速で30分ほど。
方向音痴の私でもなんとか無事に辿り着ける圏内である。
高速を降りて信号待ちしていると、後ろのタクシーに先生が乗っていらっしゃるのが見える。ホッ。



「今回も出番なしかなぁ」byハンス
「くっつかないでよ!」byニッキー

★ 講義 
24日のセミナーでは、指導者の方を対象としたフリースタイルを教えるための基礎がメインテーマだった。
指導者じゃない私の頭で果たしてどこまで理解できるのか?

■ FSの採点法
まずWCFO(The World Canine Freestyle Organization)の採点方法の説明から入り、難易度、完成度等々を、犬とのポジショニングも含めて細かく説明された。

難易度の例:歩く方向
前進<バック<サイドステップ(右に行くほど難易度が高い)

完成度の例:
犬への指示の出し方と正確性

■ 行動学に基づくトレーニング方法
次に、トレーニング方法として、クリッカー、ターゲット、トリーツを使うことと、その行動学的意義を説明され、動き(ムーブ)を教える方法と関連付けられた。

行動学では、『好子(こうし)』と『嫌子(けんし)』が説明された。
好子とは、ある行動を起すと、必ずいいこと(好子)が起これば、その行動が繰り返されて強化されるというもので、逆に嫌子とはある行動をすると必ず嫌なことが起これば、その行動があまり起こらなくなる(弱化)というものである。
ただ、好子も嫌子もあまり頻発すると、それ自体の意味が薄れてしまったり、いつの間にか好子がそうでなくなる場合もあるので、注意しなくてはいけない。

いつも同じような褒め方でなく、時には声のトーンを変えたり、体全体で褒めるなどして、意表をつくような刺激と一緒に好子が強化されると、記憶に残りやすくなるそうだ。
嫌子の場合は、嫌なことと、雷などの外的刺激が一緒になったりすると、トラウマになったりすることがある。

■ 馴致作業
その後、個々の動きを教える過程では、馬の調教で培った技術は犬の訓練にもあてはまるるということを話された。
そのひとつが「馴致」。Husbandary Trainingとも言われるもので、犬(動物)にとってあまり好ましくない状態をすこしずつ馴らしていくというものである。
例えば、体に触れられるのが嫌いな子には、少しずつ触れられることに馴らして鈍化させる。これは脱感作(Desensitization)とも言われる。
これをフリースタイルに応用すると、元来苦手とされる後ろ足の動きをトリーツなどを使いながらスムースに動かしていくことが出来るようになる。これはバックやサイドステップを教える時に役立つ。

この馴致作業の中で、犬に様々なポジションを教える方法を説明された。
まず長持ちしそうなトリーツを手で持ち、犬の鼻先に出し、舐めたり噛ませたりしながら、ハンドラーがポジションを変えるというものである。
通常左脚側にいる犬の前に行ったり、左側に行ったり、後ろに行ったり、またいでみたりと、様々な位置にハンドラーが動くというもの。この時犬は立った状態を保っている。
次にハンドラーは動かず、トリーツ(ターゲットでもよいが)などを使って犬を誘導し、犬のポジションを変える。

■ ルーティーンの教え方
ルーティーンを教える時は、連続技ではなく、必ずひとつの技(トリック)をやったら止める。
コマンドはわかりやすく教える。
そして先生の強調されていたことが、『ヒールワーク』より『ヒールウォーク』。
きれいなヒールウォークはそれだけでも美しく、ありったけのトリックを羅列するより、美しいヒールウォークの中に、スピンが入っていたりすると際立って良いということだった。
★ 実践
昼食をはさんで、午後からはまず、参加者8人がチームで動く練習をした。


前進だけなら簡単だが、扇のように回転するとなかなか合わせづらい。
幸い、去年JKCの団体訓練競技に16ペアで参加したのでクリと私はあまり違和感はなく動くことができた。

この時、あまりキョロキョロ左右を見るのではなく、視線だけで自分の位置や全体の状況を把握することが求められた。
確かに、コンペなどで犬の動きに注意をはらいながら、広いリンクを余すところなく使うには、常に自分の位置を把握しておく必要がある。

次に、参加者の持ってきたひとつの音楽をみんなで使って短いルーティンを作って発表した。
みんな練習時間がわずかなのに、ちゃんと出来ているのでびっくり。

我が家のクリさんは、いつもに比べればおしゃべりは少なかったけれど、やっぱり私より1、2歩先を行っていて、何度か修正する場面があった。
が、とにかく楽しそうに動いており、出番が終わっても、音楽がなり始めると「私にも踊らせろ!」と文句を言う始末(汗)。


先生がひとりひとり発表が終わると感想を述べてくださった。
当然のことながら、我がチームは、「飼い犬にため口をきかれている飼い主」というお言葉をいただき、クリさんの集中力だけが褒められた(汗)。
確かに、踊っている時の彼女の集中力はすごい。トリーツもボールもいらない。もしかして、私もいらない?


休憩中に紫苑ちゃんのママに遊んでもらう子どもたち。
あっ、かわいい子が来てる。 アタシ紫苑ちゃんちの
子になろうかしら。


講義中では、先生のジンガロくんのビデオが流れたが、これがおんなじ犬種?と思うほど、正確に、かつまた高度なムーブメントを見せてくれた。
問題はやっぱり飼い主にありか・・・。

休憩時間に初めて2頭立てで動いてみたが、どうもハンスがクリ母さんを意識して、遅れがち。
しかも左脚側のターンはきれいにそろうのに、反対側になると、ポジションがわからずウロウロ。
そうそう。ハンスはまだ右脚側が安定してなかったっけ。



ということで、数々の反省点や課題をいただき、セミナーは無事に終わった。
クリさんちゃんと聞いててくれたかなぁ。

今回のセミナーについてはレポートを書くなどおこがましくて考えていなかったのだが、ごく、ごく少数の方から「レポートはまだか!」と催促されてしまったので、急遽書いた次第。
果たしてちゃんと聞いたことを書けたかどうか・・。
他の参加者の方からクレームが来ませんように。

最後になりましたが、今回写真を撮ってくださった紫苑ちゃんママ、ありがとうございました。
次回は紫苑ちゃんとおりべっちも一緒に参加しましょうね。

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