Part 8:親子の多頭飼い

クリス家の場合

その2 クリ家の兄妹

娘ニッキーは公園デビューの頃自宅内で骨折したため犬舎での療養生活を余儀なくされたことで、ハンスや母とも遊ぶことができず、みんなが散歩に出かける時も一人家の中で留守番させられていた。
ハンスが公園で自由にかけまわり、犬友達を増やしていく一方で、ニッキーはやっと外に出られるようになる頃には無邪気によその犬達と走り回る時期をとうに過ぎ、犬見知りをする臆病な子になっていた。

公園でハンスと遊ぶ友達が同じ感覚でニッキーに近づこうとすると、彼女は恐怖から唸って吠えた。
一方、今までクリスと2人で公園に来ていたが、クリスには遊んでもらえないのでよその犬達と遊んでいたハンスもニッキーが参加することでニッキーと遊ぼうとしはじめたが、彼の遊び方は乱暴で、楽しそうに追いかけっこをしているかと思えばボーッとしているニッキーに体当たりを食らわせて転ばせたりと彼女がいやがることばかりをした。彼女はいつも泣かされ、ますます犬に対する恐怖心をつのらせていった。

3頭連れて自転車や歩いて散歩に行くとき、途中でよその犬と出会いニッキーが早くその場を立ち去ろうとジタバタしていると、必ずハンスが表に出て相手に吠えるか、ニッキーのリードを咥えて思い切り後ろに引っ張る。なぜ彼はそういう行動をとるのだろう。ニッキーが私に叱られながらよその犬を気にしないよう歩いているときはハンスもそのようなことをしない。

とにかく1頭ずつ連れて歩いているときは落ち着いてコマンドも聞けるし、あえて他の子を気にしようとはしないのだが、なぜかこの兄妹一緒にいると必ず何かしでかす。相乗効果としかいいようがない。

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