北京冬季五輪 ドーピング CAS裁定 ワリエワ選手 女子フィギア

Kamila Vallieva 出典 NPR

ポーツ仲裁裁判所(CAS) ワリエワ選手の出場認める 「15歳」などを考慮 五輪史上に禍根を残す
 2月14日、スポーツ仲裁裁判所(CAS Court of Arbitration for Sport)は、ドーピング疑惑が浮上したロシア・オリンピック委員会(ROC)のフィギュアスケート女子代表、カミラ・ワリエワ(Kamila Valieva)選手について、15日から始まる女子フィギア個人戦への出場を認める裁定を下した。
 禁止薬物の陽性反応が出た選手の五輪出場を事実上認める異例の事態となり、五輪史上に大きな禍根を残した。
 CASが発表した声明によると、禁止薬物への陽性反応を受けたワリエワの資格停止処分を解除したロシア反ドーピング機関(RUSADA)の決定を支持し、 RUSADAの決定を不服として取り消しを求めたIOC,WAD、統括団体の国際スケート連盟(ISU)の訴えを却下した。
 WADAは裁定の理由として、15歳のワリエワ選手が世界反ドーピング機構(WADA)の規則で「保護対象者」に当たることを挙げ、五輪期間中に陽性反応を示していないことや、今回出場を認めなければワリエワ選手に取り返しのつかない損害を与えることなどを考慮したとした。
 CASは裁定に当たって「公平性、均整、回復不能な損害、利害の相対的バランスという基本原則」を考慮したと指摘し、ドーピング検査の結果通知が遅れたことについてはワリエワ選手の落ち度ではないと説明した。
 しかし、裁定は今回のドーピング疑惑そのものへの判断は下していない。
 ワリエワ選手は7日まで行われたフィギュア混合団体競技で、高得点を挙げてROCの金メダルに貢献したが、混合団体戦の扱いに関しては、CASは裁定を要求されていないため、決定は別のプロセスで行うことになるとした。  
 国際オリンピック委員会(IOC)は、ドーピング問題が解決するまで混合団体戦のメダル授与は行わないと述べ、15日から始まる女子フィギア個人競技でワリエワ選手が三位以内にはいった場合もメダル授与は行わないことを明らかにした。

Matthieu Reeb, Secretary General Of The Court Of Arbitration For Sport(CAS) Source USA TODY

⇒スポーツ仲裁裁判所(CAS) Media Release 2020年2月11日
⇒スポーツ仲裁裁判所(CAS) Media Release 2020年2月12日
⇒スポーツ仲裁裁判所(CAS) Media Release 2020年2月14日
⇒スポーツ仲裁裁判所(CAS) Full 41-page Ruling on Kamila Valieva  2020年2月17日 CAS裁定全文

国際検査機関(ITA) RUSADAの処分停止に対してスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ提訴

 ロシア・アンチドーピング機関(RUSADA:Russian anti-doping Agency)は、女子フィギュアスケートの絶対的エース、カミラ・バリエバ(Kamila Valieva)選手に課せられたす出場停止処分を暫定的に停止させた件で、国際検査機関(ITA)は、RUSADA決定に対してスポーツ仲裁裁判所(CAS:Court of Arbitration for Sport)へ提訴したことを公表した。
 2月11日、北京冬季五輪のドーピング検査を管轄する国際検査機関(ITA)は、ロシア・オリンピック委員会(ROC)のフィギュアスケート女子代表カミラ・ワリエワ(15)選手が、2021年12月25日、サンクトペテルブルクで開催された2022年ロシアフィギュアスケート選手権で、バリエバ選手がトリメタジジンの検査で陽性であったことを確認しているという声明を発表した。
 検体はRUSADAが採取して、ストックホルムにある世界アンチ・ドーピング機関(WADA)認定の研究所に送られて分析が行われ、2月8日に禁止物質トリメタジジンを検出したと国際検査機関(ITA)に報告した。トリメタジジンはWADA2021禁止リストのクラスS4.4の薬物で、競技期間中ではなくても使用が禁止されている最も厳しく管理されている物質のひとつ。2014年1月にWADAの禁止薬物リストに追加されたこのグループに属する薬物の基本的な罰則は4年間の資格停止となる。
 最初に罰則が適用されたのはオリンピックや世界選手権で何度も優勝している中国の競泳選手、孫楊。
 ワリエワ選手は16歳未満で「保護対象」のため実名公表は控えるのが原則だが、メディアが非公式情報でワリエワの名前を報道したため公式発表したとしている。
 この結果を受けて、2月8日、RUSADAはワリエワの選手資格を暫定的に停止した。
 2月8日は、北京冬季五輪で、バリエバ選手が出場した女子団体フィギュアスケート競技でROCが優勝し、金メダル授与式が行われる予定だったが、RUSADAの選手資格処分を受けて急遽延期された
 ROCの女子団体フィギアスケート優勝には、バリエバ選手の活躍がに大きく貢献したのは明らかである。彼女は、4回転ジャンプを2回成功させた。ショートプログラムとフリーの両方で高得点を獲得した。4回転ジャンプは冬季オリンピックで誰も成功したことのない偉業である
 これに対してバリエバ側は異議を申し立て、2月9日にRUSADA懲戒ドーピング防止委員会は選手資格処分を停止した。
 この決定により、バリエバ選手はトレーニングを再開させ、以後の競技への出場が可能になる。
 一方、国際オリンピック委員会(IOC)は、国際検査機関(ITA)を通じてRUSADAの暫定停止を撤回するように控訴した。
 現状では、バリエバ選手は来週の火曜日(2月15日)に開始される予定の女子シングルス競技に自由に参加できるが、CASがRUSADAの決定を不当と裁定した場合は、バリエバ選手に暫定的な出場停止処分が課され、競技への出場が一切不可能になる。
 すべては、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定に委ねられることになった。

WADA Bejing2022 anti-doping Visual Design

What's News! 女子フィギアスケートのカミラ・バリエバ選手(ROC)ドーピング疑惑 メダルセレモニーは延期に
 ロシアの15歳の女子フィギアスケートの絶対的エース、カミラ・バリエバ(Kamila Valievaにドーピングに関する法的な問題が浮上し、女子フィギュアスケート団体のメダル授与式が延期されている。メダルセレモニーは2月8日、午後9時に(現地時間)行われる予定だった。
 国際スケート連盟(ISU)は、メダルセレモニーが延期になっているのは、「法的な問題」によって引き起こされたことを認め、Inside the Games誌は、北京冬季五輪2022前に、バリエバに行われた薬物検査が関与していること確認したとしている。
 彼女はショートプログラムとフリースケーティングの両方で女子シングルスの順位をリードしました。
 バリエバ選手は4回のジャンプを2回を見事に決めたが、冬季オリンピックでこれまで成功したことのない演技である。
 バリエバ選手の問題の詳細は不明だが、関与する薬物は能力向上薬だとさrている。
 ロシアのいくつかの報告によると、関与する薬はトリメタジジンであり、狭心症の発作を防ぎ、心臓への血流を助けるために通常使用される薬としている。
 世界アンチ・ドーピング機関(WADA)の規則の下では、バリエバ選手は「保護された人」と認定されているため、事態は複雑化している。
 WADAの規則では、16歳に達していないアスリー」が、アンチ・ドーピング違反に問われた場合には、個人を公式には特定して公表しないことになっている。。
 Inside the games誌は、現在、結論に達するまで、いくつかの法務チームが慎重に検討しているとしている。
 仮にヴァリエバが制裁を受けてた場合、その罰則は16歳以上の場合よりもはるかに穏やかな内容になる可能性が高くいが、彼女のチームが果たした役割は綿密に調査されるだろうとしている。
 北京冬季五輪2022で薬物検査を実施している国際検査機関(ITA)は、事件の詳細についてコメントをせず、「ITAは、2022年の冬季オリンピック北京でのフィギュアスケートチームのイベントの延期されたメダルセレモニーに関して出回っているさまざまな報告を認識している」と声明を出した。
 ロシアフィギュアスケート連盟のスポークスマンOlgaYermolina氏は、国営通信社TASSに対して、「(我々は)情報を待っている」と語り、「おそらく明日の朝になるだろう」に何らかの進展があるだろうとした。
 国際オリンピック委員会(IOC)のスポークスマンであるマークアダムス氏は状況について詳しく説明することを拒否し、「法的な意味合いがあるので、この段階ではあまり話せない」と記者会見で語った。
 ロシアスポーツ省は2月9日夜、ニュースリリースで「ロシアスポーツ省は、北京でのチームフィギュアスケートメダルセレモニーの遅れについてのメディアの憶測についてコメントするのは時期尚早だと考えている」とした。

Kamila Vallieva  出典 Kamila Vallieva Instagram

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