FIFAワールドカップ カタール2022 IBC

Qatar2022  ホストブロードキャスターはHBS
 ホスト・ブロードキャスト・サービス (Host Broadcaster Service:HBS) は、Infront Sports & Media (スイス・ツーク)が、2002 FIFA ワールド カップ韓国/日本の映像・音声制作を担うメディア企業として1999 年に設立した子会社。
 HBS は、 2002 年、2006 年、2010 年、2014 年、2018 年の FIFA ワールド カップ のホストブロードキャスターとしての役割を担い、国際放送センター(IBC)の設営・運営、競技場などでの映像・音声中継、放送機関等への配信・伝送など行った。。
 HBS はスイス・ツークに本社があり、フランスのパリ・ブローニュに実行部隊である企画本部を置いている。
 FIFAワールドカップのメディア・オペレーションはほぼ独占的にHBSが行っている。Source HBS
Qatar2022  国際放送センター(IBC)
 国際放送センター(IBC:International Broadcast Centre)は、FIFA World Cup Qatar2022 の全世界のテレビやラジオなどの放送機関の拠点となる施設である。
 ホストブロードキャスターの行うメディア・オペレーションの中で、IBCの設営・運営業務は中核となる。
 IBCが設置されるのは、ドーハ市内のWEST BAY地区にあるドーハ見本市・会議場(Doha Exhibition and Convention Center)。
 8つの競技会場へのアクセス交通手段が確保され最も近いスタジアムは、エデュケーション・シティ・スタジアム(Education City Stadium)で4km、最も遠いスタジアムは Aアル・バイト・スタジアムl Bayt Stadiumで45km離れている。メディアは1 日あたり最大 2 試合をスタジアムで取材することが可能
Doha Exhibition and Convention Center
 ドーハ見本市・会議場は、全体で10万平方メートルの建物があるカタールで最大の施設、47,000平方メートルのホールは世界最大の規模とされている。270メートルも続くガラス張りのロビーからはドーハ湾や高層ビル街が見渡される。
 IBCでは、今回の大会で開催される64試合のライブ中継を始め、毎日のハイライト映像や各チームの最新情報、関連特集、競技結果などが配信される。
 IBCには、全世界、約220国と地域から、約80のライツホルダー(MRLs:media rights licensees)、約5000人が参加して、スタジオや編集・送出設備、ワーキング・スペースなどを設置して各国放送機関に向けてオペレーションを行う。
 IBC内にテレビスタジオを設置してオペレーションを行う放送機関は、FOXやBBC、CCTVを始め、SBS Australia、 Globo and GloboSat(Brazil)、 TV Azteca(Mexico)、 DirecTV Latin America,、ITV(UK)、 Telemundo(U.S.)、 beIN(中東)などである。
 IBCでは、FIFAや各チームの会見が行われる。各試合の前日に開催するすべての記者会見はMMCで開催、試合後の会見はリモートで実施する。。
 IBCの設営・運営はFIFA傘下のHBS(Host Broadcast Service)が担当し、大会開催中の32日間、24時間サービスを実施する。
IBCの設備と機能
FIFAワールドカップ IBC Source HBS
■ テクニカル・コンパウンド(Technical Compound)
 テクニカル・コンパウンドでは電力や空調の仮設施設やバックアップ設備が整備される。

■ サテライト・ファーム(Satellite Farm)
 サテライト・ファームはIBCの駐車場に隣接して設置され、衛星が見通し可能な場所が確保されている。

■ 共通エリア(Multilateral Areas)
 共通エリアは、Master Control Room(MCR)/Central Equipment Room(CER)、コンテンツ制作センター、オフイスの3つのエリアに大きく分かれている。
 これらの施設は、パビリオン1と2に分散されているいるが、お互いに密接に連携してオペレーションを行うようにする。

■ マスターコントロール・ルーム(MCR)
 マスターコントロール・ルーム(Master Control Room MCR)は、映像・音声信号をコントロールするIBCの中枢の機能を担う。
各都市の12のスタジアムや関連施設からIBCに送信されてくる映像・音声信号やIBCから光回線や衛星にアップリンクされるすべての映像・音声信号を監視して制御する。
IBCに送信されてくる信号は、試合中継などの国際映像(Multilateral Feed/World Feed)と各ライツホルダー(MRLs:media rights licensees)が独自に制作したユニー映像・音声信号(Unilateral Feed)の二種類がある。
 ホストブロードキャスターのHBSは、こうした信号をすべてMCRで一括管理をし、ライツホルダー(MRLs:media rights licensees)に配信したり、HBSの制作センターへ配信したりして、さまざまな映像コンテンツを制作する。
 UHD/HDR(4K)、UHD/SDR、3G-SDI(1080P)、HD/SDI(1080i)などの多様な信号が処理されるが、HBSは、こうした信号をすべてMCRで集中的に制御し、国際映像(Multilateral Feed)についてはラツホルダー(MRLs:media rights licensees)にニーズに応じて、多様な信号フォーマットのコンテンツで配信する。
 またMCRでは、ライツホルダー(MRLs:media rights licensees)のユニー映像・音声信号(Unilateral Feed)の入力・出力もコントロールし、各ライツホルダーに配信する。
 MCRは、送信コントロールも担い、国際映像(Multilateral Feed)やユニー映像・音声信号は、サテライトファームのSNGに送り衛星にアップリンクしたり、光回線にアップリンクして、世界各国の放送機関等に伝送する。

■ MCR Multivewer System
 これまでのMCR Multivewer Systemは、前回Russia2018大会で一新された。
 UHD/HDR、UHD/SDRの配信が始まったからである。
 すべてのフォーマットの信号は、ルーター・コントロール・システム(VSM)で制御され、MCRに設置されたモニターで表示可能なシステムを構築した。

■ Satelitte Distribution System
 MCRにはワールド・フィード・コントロール機能が整備され、サテライトファームにある衛星アップリンク車からオペレーションの制御可能にした。IBCから世界各国のライツホルダー(MRLs:media rights licensees)に送信される映像・音声信号はこの機能によって制御される。
 衛星アップリンク・オペレーションは24時間可能で、ライツホルダー(MRLs:media rights licensees)はMCRのサポートを得ることができる。
 ワールド・フィード・コントロール機能は、ルーター制御パネルと連結していて、IBCのすべての入力・出力の二つのオペレーションはMCRが管理する。
Qatar2022  メイン メディア センター(MMC)
 IFA とカタール 2022 は、アクレディを取得した新聞・雑誌・写真メディア(MRLs)に最先端のインフラストラクチャとサービスを提供するメイン メディア センター(MMC)は、ドーハ・エキシビション・コンベンション・センター(Doha Exhibition and Convention Cente)rに設置する。国際放送センター(IBC)に隣接して同じ建物に設置される。
MMCから 8 つのスタジアムへの交通手段が確保され、最寄りのスタジアムはエデュケーション・シティ・スタジアム(Education City Stadium)で、MMCからわずか 4 km、最も遠いスタジアムは アル・バイト・スタジアム(Al Bayt Stadium)で 45 キロの距離にある。
メディアは1 日あたり最大 2 試合をスタジアムで取材することが可能。 
 MMCはアクレディを取得したメディア(MRLs)の参加が可能で、試合や記者会見をリモートでフォロー可能な設備を提供する。各試合の前日に開催するすべての記者会見はMMCでに開催、試合後の会見はリモートで実施する。
FIFA ワールド カップ カタール 2022の放送権を所有していないラジオまたはテレビ放送機関もアクレディを申請することができるが、非常に限られた数のアクレディが割り当てられない。しかし試合当日のスタジアムへの入場は認められない。
Qatar2022  ホスト・シティ・メディアセンター(HCMC)
 カタールの公式ホストであるカタール施設・レガシー最高委員会(The Supreme Committee for Delivery & Legacy)とAP 通信グローバル メディア サービスは、IBCやMMCとは別に、非権利所有者、非認定メディアへのサービスを提供する。
 放送権を取得した放送機関、アクレディ所有メディア(新聞・雑誌・写真)も利用可能。
 AP通信がホストを務めるのは異例である。

▼HOST COUNTRY MEDIA CENTER  (Msheireb District ドーハの繁華街)
- Workspace
- Studios
- Press Conferences
- Virtual Media Center
- Editorial SupportMsheireb Distric Source The Supreme Committee for Delivery & Legacy

▼BROADCAST PLATFORMS(放送スタジオ施設)
・SOUQ WAQIF (スーク・ワキフ:ドーハの繁華街 伝統的な市場の背景にしてメイン・プラザを見下ろす場所にスタジオを設置)
- Raised Platform with 3m single-camera live positions and shell studios
- Raised Platform with 6m multi-camera live positions and shell studios
- Single camera live positions, manned & equipped
- Dedicated Control rooms
- Guest lounge
- Dedicated bandwidth

・CORNICHE (Sheraton Park) (コーニッシュ:ウォーターフロント・プロムナード 高層ビル街とドーハ湾を望むビーチリゾートにスタジオを設置)
- Raised Platform with 3m single-camera live positions and shell studios
- Raised Platform with 6m multi-camera live positions and shell studios
- Single camera live positions, manned & equipped
- Dedicated Control rooms
- Guest lounge
- Dedicated bandwidth
Source Qatar2022  
▼STADIUMS
・AL BAYT STADIUM
- Opening Ceremony and throughout the tournament:
- Raised platform with power and dedicated bandwidth
- Plug and Play single camera live positions
- AP operated single camera live positions for opening ceremony
アル=ベイト・スタジアム(Al-Bayt Stadium) Al-Knor   出典 The Qatar Foundation and the Supreme Committee for Delivery & Legacy

・LUSAIL STADIUM
- throughout tournament and final match:
- Raised platform with power and dedicated bandwidth
- Plug and Play single camera live positions
- AP operated single camera live positions for final match