北京冬季五輪 新型コロナ

北京冬季五輪 新型コロナ陽性者は437人 バブル方式は成功
 2022年2月21日、北京冬季五輪組織委員会は、北京冬季五輪大会開催期間中(1月23日~2月20日)に、中国に入国した選手や選手団関係者、大会関係者は1万3690人、そのうち空港での検査で検出された陽性者は265人、「バブル」内で、開催期間中に延べ185万9423回の検査を実施したが、検出され陽性者は172人、合計で437人の陽性者が出たと発表した。 
 この内、選手や選手団関係者は、6200人が入国し、空港の検査で116人の陽性者を検出、「バブル」内で開催期間中に延べ12万4099回の検査を実施して69人の陽性者を検出、合計185人の陽性者を記録した。 
 一方、大会関係者(ステークホルダー)は、7490人が入国し、空港の検査では149人の陽性者、「バブル」内で開催期間中に延べ173万5324回の検査を実施して、103人の陽性者を検出、合計252人の陽性者が出た。
 フランス通信社(AFP)は2月20日付けの記事で、「今大会はバブルの中で試合と大会が行われた。その新型コロナ対策は未曾有の規模や厳格さで、冬季五輪を代表する記憶として残るだろう。中国政府は実務的なクローズド・ループ管理を通して、新型コロナ感染拡大を抑制した。これは、中国の『ゼロコロナ』対策が世界の模範となっているという説明にもマッチしている。冬季五輪前後の4週間、選手を含めて400人の陽性者が確認された。しかし、最後まで、1日当たりの新規感染者数は『ゼロ』だった。中国は『安全』な冬季五輪開催の約束を守った」と伝えた。
 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は2月18日に北京冬季五輪・パラリンピックのメインメディアセンター(MMC)で行われた記者会見で、「北京冬季五輪の『バブル方式』は大成功だった。私たちすべての人がバブル内で非常に安全に快適に過ごした。みんなで団結の精神を遵守し、みんなが貢献しさえすれば、新型コロナウイルス感染症の中でも、偉大なイベントを開催することができる」と述べた。バッハ氏は、「選手たちは非常にハッピーであり、会場・施設、冬季五輪村、バブル内の安全状況には非常に満足している。また、北京冬季五輪の五輪ムードは自分が関わった歴代の五輪の中でも相対的に濃厚だと言える」と述べ、「今回の冬季五輪のデジタル中継・通信技術は素晴らしく、五輪スポーツの将来の発展を促進するものと確信する」と胸を張った。
(注) 合計の陽性者数には、「バブル」内の海外からの入国者だけでなく中国国内の関係者も含むSource Beijing2022
Source AP
最多のコロナ感染、新たに55人確認
 2月3日、北京冬季五輪の医療専門家会議で座長を務めるブライアン・マクロスキー博士は3日、五輪関係者の間で2日新たに55人の新型コロナウイルス感染が確認されたと明らかにした。1日に確認された感染者としては最多となる。内訳は、空港到着時の検査で29人、外部との接触を遮断した「バブル」内では26人だった。1月23日以降実施した61万回の新型コロナウイルス検査では、287人の陽性が確認された。
 マクロスキー氏は「この数字は非常に小さい」と述べ、全ての大会参加者が到着すれば数字は下がり始めると説明。「このシステムがうまく機能すると確信している。ただ、警戒を緩めてはいない」と強調した。北京五輪の関係者は、バブル方式で一般市民との接触が遮断されており、宿泊施設から大会会場までの移動は、関係者専用に指定され交通機関を利用する。バブル内では感染者をいち早く特定するため毎日コロナ検査が行われる。
「一度入ったら出られない」、北京五輪バブルの内側を記者が報告
 「一度入ったらもう出られない」──。北京冬季五輪で、大会関係者の外部との接触を遮断する「クローズド・ループ」と呼ばれるバブルの内側を、ロイター記者がリポートした。  マスク着用、毎日のPCR検査、ノンストップの消毒、ロックされたゲート。北京五輪の「バブル」の中へようこそ。  
 この「パラレル・ワールド」は、新型コロナ対策として、五輪開催中に全ての大会関係者・選手が一般市民と接触するのを避けるため、設けられた。スポーツ界のスターからボランティアまで、バブルの内側にいる人はこの中で食べ、眠り、働き、競技をすることになる。このエリアは厳重にフェンスで覆われ、「バブル」から自由に外出することは禁止、競技場などには指定された交通システムで移動する。  
 「今日最初のPCR検査を行ったところです。今日は、バブルホテルから、ほとんどのメディアが活動しているメインプレスセンターまで、通常どのように移動しているか紹介します。準備はいいですか?行きましょう」  
 「検査の後、バスで移動する前にセキュリティーチェックを受けなければなりません。チェックの前に、新型コロナウイルスのサンプルを確認する必要があります。基本的にはその日の検査をやったことを確認するためです。では、見てみましょう。これは私が検査を済ませたことを示しています。では外に行きます」 と伝えた。 
 中国は感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ政策」を導入しており、五輪参加者は全員、特別チャーター機で到着しなければならない。到着後は、消毒液をスプレーするロボットから、仕切り用のスクリーン、マスクの着用義務まで、厳重な感染予防対策が至る所に見受けられる。 主催者側は、厳しい管理措置がバブル内でのクラスター感染を防ぐのに役立つとしているが、懸念を抱いている人も多い。
 「中国の一般市民と交流しないことは安全だと思う一方で、もしバブルの中で誰かが感染したらどうなるのか、感染が広がるのだろうかと少し心配になる。YTNの記者はもし誰かが感染していて、私たちはまるで刑務所にいるようにここに閉じ込められていたら?感染しないかとても不安になる」と述べている。
 1月23日以降、空港検疫とバブル内で200人の感染が報告されている。中国当局は2月1日、この数字は「予想される制御可能な範囲」内だとの見解を示し、感染防止対策に自信を示した。(出典 2月2日 Reuters)。Source News Espanol
組織委発表 選手・大会関係者34人が陽性 参加者の北京到着ピーク 3日間で3500人
 北京冬季五輪大会組織委員会は、1月30日、選手や大会関係者の34人がCOVID-19陽性者と判明したと発表した。中国到着後の13人の選手とチーム関係者が含まれている。1月23日以降で、選手とチーム関係者の陽性者は22人に達した。北京に到着したカナダ選手団246人の内、5人の陽性が確認された。この3日間で約3,500人の大会参加者が北京に到着してピークを迎え、そのうち54人がCOVID-19陽性者だった。2月4日に“closed loop”運用開始から、大会関係者の陽性者は合計200人を超えた。“バブル”に入る関係者推定6万人、全員に毎日、PCR検査を義務付ける。 選手は陽性が発覚した場合は隔離され、その後の検査で24時間で2回陰性とならなければ、競技に出場できない。 
 北京冬季五輪2022の医療専門家パネルのチーフであるブライアン・マクロスキー博士(Dr. McCloskeyは、数字は「私たちが期待するものと一致している」と主張し、今後さらにCOVID-19陽性者が増加し続けると予想していると述べた。
選手・大会関係者 COVID19陽性者72人、“closed loop”では33人 IOC COVID19の最初の検査結果発表
 国際オリンピック委員会(IOC)は、COVID19の最初の検査結果リポート(開催前の期間 1月4〜22日)を発表した。 検出された陽性者は北京国際空港で39人(2586人検査/内大会関係者171人)、“closed loop”(バブル)では33人(33万6421人検査/内大会関係者175人)、合計72人だった。“バブル方式”が成功するかどうかは、選手や大会関係者よりも、“バブル”に出入りする膨大な数の運営スタッフや委託業者の対策が鍵になる。 
 2020東京五輪大会でも、委託業者の陽性者が続出した。 北京冬季五輪が開幕まで2週間を切り、首都の緊張がピークに達しようとしている。大会の成功には新型コロナウイルスの感染対策が欠かせず、大会組織委員会は選手・関係者の健康状態を徹底管理。外部との接触を遮断する“バブル方式”の厳格さは、2021年東京五輪の比でない。要所に警察官や防護服姿の係官が身構え、強まる統制ムードが会場周辺を覆う。 
「ゼロコロナ政策」を掲げる中国。海外から訪れる大会関係者には厳格な水際対策を実施している。入国まで2週間の体温や体調や、ワクチン接種証明書と出国前72時間以内の陰性証明書を組織委の運営するスマートフォンの健康管理アプリ「冬奥通」のアップロードを義務付けている。 選手や大会関係者の移動は専用バスや専用シャトル、動線は一般客とは完全に分離され、すべて組織委の管理下に置かれる。延慶や張家口への移動は高速鉄道の利用は可能だが、一般客とは動線や車両は完全分離。競技や練習などを除き、“closed loop”からの外出は、基本的に禁止される。 “closed loop”内では、全員が毎日PCR検査を受けなければならない。 
 北京市内で1月15日に初めてオミクロン株が確認され、市当局は域外からの訪問者全員に対して北京入り後72時間以内のPCR検査を義務化した。 コロナ封じ込めに成功するかどうかは、北京冬季五輪の成否の鍵を握る。 1月23日、北京、張家口、延慶の選手村で一斉に選手や大会関係者の入居が始まった。初日は中国、イギリス、オーストリアが選手村に入った。(Source Beijing2022 Test and Total Confirmed Possitive Case)
米中 定期便の運航停止 新型コロナで
 1月10日、中国政府は、米航空会社が運航する上海行きの定期便22便の運航停止を指示。デルタ航空の10便、ユナイテッド航空の6便、アメリカン航空の6便が欠航、中国に到着した多数の乗客が新型コロナウイルスの検査で陽性反応を示したことが理由。また中国の航空会社が運航する約42便の米国行き便も運航停止措置がとられた。 
 これに対して中国への対抗措置として、米運輸省は1月21日、中国の航空会社4社が運航する中国便44便の運航を停止すると発表した。中国が新型コロナ懸念で米航空会社の航空便計44便の運航停止を決定したことに対抗した。1月30日から実施する。対象となるのは、厦門(アモイ)航空、中国国際航空、中国南方航空、中国東方航空の4社が運航する、米国発中国行きの航空便。 
 米運輸省は、中国が一部の便を運航停止としたことは「公共の利益に反するものであり、相応の是正措置が必要だ」としている。
北京五輪チケット、一般向け販売せず コロナ考慮、方針転換
 2021年1月17日、国際オリンピック委員会(IOC)は声明を発表。「COVID-19パンデミックの現状に照らすと、すべての参加者と観客の安全を確保するために、チケットはもはや販売せず、大会期間中に観客グループを招待して会場入りさせるという、状況に合わせた計画の一部にする」とした。 東京五輪に続き、一般客へのチケット販売は取りやめることになる。
 一方で、北京冬季五輪組織委員会は大会関係者や企業、団体など組織された観客グループを招待して、「招待客」のみ入場を許可するとした。「招待客」の人数は明らかにされていないが、各競技会場の観客席はガラガラの状態ではないと予想される 。地元メディアは開会式には約5万人が参加したと伝えている。
 大会組織委は2021年9月、中国本土の在住者に限って観戦を認める方針を示していた。一方、中国では今年に入って「オミクロン株」の感染が拡大。開会式や閉会式が開かれる北京市でも1月15日、初めての市中感染が確認され、一転して一般観客は入場させない方針に切替、感染拡大防止への厳戒態勢がとられている。  
(Source Beijing 2022 spectator policy finalised 17 Jan 2022 IOC NEWS)
北京でオミクロン初確認 五輪目前、上海や広東省でも
 2022年1月15日、中国の北京市政府は、同市海淀区で、オミクロン株の市中感染1例を確認したと発表した。北京でのオミクロン株感染確認は初めて。北京冬季五輪開幕を2月4日に控え、習近平指導部が「ゼロコロナ」政策を進める中、一層緊張が高まりそうだ。感染経路は不明。 感染経路は不明。直近2週間は市外に出ておらず、感染者との接触歴もないというが、北京でオミクロン株の市中感染がすでに広まっている恐れもある。 さらに13~14日に上海と広東省珠海、同省中山で報告された新型コロナ感染がオミクロン株だったと発表。感染者の行動歴が広範囲にわたっているという。
北京冬季五輪は海外の観客受け入れ見送り 新型コロナ感染予防策基本方針を発表
 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が議長を務め、国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長も出席したIOC理事会で、2022年2月の北京冬季五輪とパラリンピックの主な新型コロナウイルス感染予防策の基本方針が決まり、プレイブック(Bejing2022 Play Book)を公表した。ワクチン接種に関する方針や開催期間中のクローズド・ループ管理(バブル方式管理)、観客受け入れなどに関する方針が含まれている。
1.ワクチン接種に関する方針 北京冬季五輪・パラリンピックの参加選手については、接種できる人には可能な限り接種するよう取り組む。その他の関係者については、中国への入国14日前までにワクチン接種を完了している場合は、入国後すぐにクローズド・ループ管理(バブル方式管理)に入るのに対して、未接種または未完了の場合、入国後21日間の隔離が必要となる。 この措置に関しては、世界保健機関(WHO)や関連の国際組織が承認している、または関連国・地域の政府が認可している全てのワクチンが認証される。
2.大会開催期間中のクローズド・ループ管理に関する方針 1月23日からパラリンピック終了まで、クローズド・ループ管理(バブル方式管理)を実施し、大会の安全な開催を確保する。クローズド・ループ管理(バブル方式管理)は、入国、出国、移動、宿舎、飲食、競技、開会式、閉会式など、大会に関係する全ての場所をカバーする。 中国への入国は、北京首都空港への直行便に限定する。選手や関係者の活動は大会関連のクローズド・ループエリア内(バブル内)に限られ、その活動内容も練習や試合、業務など本人の競技に関わる活動に限られる。クローズド・ループエリア(バブル)間の選手や大会関係者の移動は、大会専用交通システムに限定する。公共交通機関の利用は許可されない。 選手や大会関係者は、試合、練習、食事以外は、マスクの着用を義務付ける。
3.観客に関する方針世界の新型コロナウイルス感染対策は依然として非常に難しい舵取りを強いられているため、感染拡大を防止し、選手や関係者の安全を守るために、海外の観客へのチケット販売は見送り、感染対策の関連要求を満たす中国国内の観客に限定する。
4.宿舎に関する方針選手と一部のコーチ、関係者が選手村に宿泊するほかは、登録されている全ての関係者は北京五輪組織委員会と契約しているホテルに宿泊することになり、五輪の感染予防対策に従わなければならない。
5.PCR検査に関する方針クローズド・ループエリアに入る中国国内外の全ての選手、関係者は毎日PCR検査を受ける。また体温検査で37.5度C以上の場合は医師の診察を受ける。Souce IOC
⇒Bejing2022 Play Book 国際オリンピック委員会(IOC)
中国・西安でロックダウン
 新型ウイルスの感染が拡大 2021年12月23日、中国北部北部陝西(Shaanxi)省西安(Xi’an)市は、新型コロナウイルスの流行に伴う大規模なロックダウンを開始した。市民約1300万人が自宅待機を命じられた。 西安市では12月9日以降、143人の感染者が出ている。 中国では厳しい「感染者ゼロ」戦略が敷かれており、大規模検査とロックダウンで感染を封じ込めようとしている。2月に北京で行われる冬季五輪に向け、新型ウイルスへの警戒感を強めている。 
 西安市では23日午前0時以降、各世帯から1人だけが2日に1度、日用品を買いに外出することが許される。 市外に出ることは、やむを得ない理由があり、当局の許可を得た場合のみ特例として認められるが、原則は禁止。 長距離バスの停留所はすでに閉鎖され、市内に通じる高速道路にも検問所が設置された。西安の空港へ発着する航空便も多くが欠航となっている。 社会生活に不可欠な事業所以外は休業となり、公務員も在宅勤務を命じられているという。 
 市当局は、この感染拡大はデルタ株によるものだと説明。各国で感染が広がっているオミクロン株については言及していない。 2回目の全市民PCR検査を開始した西安市 Source 人民網
周政権が掲げる「ゼロコロナ」政策  “zero tolerance” policy
 周近平政権は、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、世界で最も厳しい、厳格な行動制限と防疫措置で「感染者ゼロ」を目指している。 感染者が一人でも出ると、感染者が出た地域の居住区を封鎖、全住民のPCR検査を実施して、感染者は隔離施設に収容する。2022年2月の北京冬季五輪、秋に予定している中国共産党大会に向けて、何が何でもコロナの感染拡大を抑え込むのが、周政権にとっての史上命題になっている。
中国当局、ロックダウン下の西安市での食料不足認める
ロックダウン(都市封鎖)を実施している西安市で、人手不足と物流の問題により、必需品の供給に支障をきたしていることを認めた。食料不足を訴える声が住民から上がっていた。 人口1300万人の西安市では、外出制限が続いている。衛生当局はここ数か月で最悪の感染状況だとして、 当初は買い物のための外出が2日に1回許可されていたが、2021年12月27日に外出制限が強化され、ほとんどの市民は検査以外の外出を禁止した。 
 28日にはソーシャルメディアで、食料などの必需品が調達できず助けを求める市民の投稿が相次いだ。中には食料が尽きそうなのに集合住宅から外へ出られないと訴える人もいた。 2022年1月5日、西安市は、新型コロナウイルスの拡大によって、4日時点の隔離対象者が約4万2000人となったと明らかにした。西安市の人口は約1300万人、市中感染者は2021年12月9日~22年1月4日の累計で約1800人にも上った。西安市では、感染者が出た地域を封鎖するほか、住民を施設に隔離し、街頭や建物の全面的な消毒も実施している。 
 しかし、感染者は収まらず、ロックダウン(都市封鎖)は、解除のめどは立っていない。 
 同日、河南省鄭州市でもロックダウンに入った。 
 2022年1月9日、オミクロン株の市中感染が中国本土で初確認された天津では、翌日までに41人の感染者が確認され、市内の一部地域で部分的な封鎖措置がとられた。1月12日には約1400万人の全市民を対象とした空前のPCR検査の2巡目が始まった。 さらに安陽市では1月10日から、約550万人の全市民を対象に外出禁止令を出し、一般の車が市内を通行することを禁じた。安陽市では1月8日から12日朝までに累計120人超の感染者が確認された。 
 また、湖南省でも、1月4日から、省に出入りする移動には48時間以内のPCR検査陰性証明が必要など感染症予防・コントロール措置を義務付けている。 中国は新型コロナウイルスの感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ戦略」を変更することはまったく考えていない。現在流行の主流となっているオミクロン変異株は毒性が比較的弱い可能性はあるが、感染防御態勢を緩める理由にはならないというのが当局の立場だ。 しかしロックダウン(都市封鎖)も3年目に入り、経済的な混乱ばかりか社会不安さえ取りざたされるようになり、先行きが見通せない
北京冬季五輪まで100日、「最大の課題」はコロナ
 2021年10月27日、北京冬季五輪まで100日を迎えて、北京冬季五輪組織員会(BOCOG)は、大会を新型コロナウイルスから守ることが「最大の課題」だと話した。 
 北京では、前の週に、聖火の到着を祝う控えめなセレモニーが行われた。 周近平政権は、ウイルスの根絶を急ぎ、多くの国民が自宅待機を命じられ、少なくとも11の省で大規模な検査が実施され、多くのフライトや列車の運行が停止している。 組織委の幹部は、「今回の冬季五輪を組織するにあたって、(新型コロナの)パンデミック(世界的な大流行)は最大の課題だ」と語り、中国の厳格な規則で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスクと影響は減らせる」と話し、詳しい処分内容は明かさなかったが、隔離環境「バブル」内で厳格な感染症対策に従わない者には、厳然とした態度で処分すると警告した。 
 2019年末に最初の新型コロナ感染が報告された中国では、感染者数は他国と比べて低く抑えられているが、当局は厳密な「ゼロコロナ」戦略を維持し、出入国の管理と厳しいロックダウン(都市封鎖)を行っている。 27日の国内の新規感染者数は約50人。しかし北西部甘粛(Gansu)省の省都で、人口400万人の蘭州(Lanzhou)市は10月26日にロックダウンに入り、住民は緊急時以外の外出禁止を命じられた。