北京冬季五輪 開会式

 北京冬季五輪2022大会の開・閉会式の演出は、中国を代表する映画監督、 張芸謀(チャン・イーモウ )氏が総監督として務める。
 張氏は、ベルリン国際映画祭で最高賞を受賞した「紅いコーリャン」や、高倉健さんが主演した「単騎、千里を走る。」などの作品で知られ、北京夏季五輪2008でも開・閉会式の総監督を務めた。

張芸謀(チャン・イーモウ )監督 Source IOC


 開会式は、北京夏季五輪2008と同じ、「鳥の巣」で行われるが、新型コロナウイルス対策などのため、コンパクト化を目指し、出演者は約3000人と大幅に減らす。
 北京夏季五輪2008では、15000人のパーフォーマーと2008人のドラマーを出演させるという人海戦術で圧巻のスケール感を演出して、観客や視聴者に強烈なインパクト与えた。時間は4時間にも及んだ。
 今回は時間を短縮し、100分程度にする予定で、構成もパフォーマンスとセレモニーを一体化させて、パフォーマーの削減を実現させる。また開会式では3つのテーマにスポットをあてて表現、1つ目は中国の世界平和に対する追求と思い、2つ目はオリンピックのモットーである「より速く、より高く、より強く、共に」、そして3つ目は北京冬季五輪のスローガン「共に未来へ」、そのビジョンと期待を描く。

 イベント演出のキーワードは最先端のデジタル映像技術、VFX(Visual Effects)。
 最大の“見せ場”のパーフォーマンス、「北京での8分間」や「建国記念日70周年」ではVFXの技術力とデザイン力を駆使してショーアップするという。20代や30代の100人以上のクリエイティブチームが3年にかけて開発した。開会式全体が中国のデジタル技術とデジタル美学の饗宴の舞台となる。
 開会式の中継を担当するOBS CEOのYiannisExarchosは「2008年と同じくらい印象的」な演出が期待できると述べた
 2020東京五輪大会では、PanasonicのプロジェクションマッピンングやIntelのドローン1824台を使用した「Shooting Star」ドローンショーが開会式をショーアップした。

 2008北京夏季五輪大会では、花火の映像にCG(コンピュータ・グラフィックス)が用いられ、開会式の式典のハイライトで、革命歌曲「歌唱祖国」を歌う役を演じた9歳の林妙可(Lin Miaoke)は7歳の楊沽義(Yang Peiy)の歌声を「口パク」していたことが判明して、批判を浴びた。
「歌唱祖国」は中国の重要な式典での国旗掲揚などで必ず演奏される 革命歌曲である。
 その後、公式大会テーマソングの担当者は、中国国営メディアに対し、楊沽義(Yang Peiy)は、彼女の「見栄え」が良くなかったために選考から漏れたと語り、林妙可(Lin Miaoke)を出演者に選んだことは「国益」であると述べたと伝えた。
 張藝謀(Zhang Yimou)氏は、夏季五輪大会と冬季五輪大会の2つの大会の開会式と閉会式を総指揮する最初の人物となる。3月4日と13日に行われる冬季パラリンピック大会の責任者も兼任する
 今回は、張氏がどんな手法で開会式を演出するのか見逃せない。

 

 

 

北京冬季五輪2022 開会式 Source Bejing2022